家族が亡くなって初めて迎えるお正月。
「仏壇にお供えする花はいつも通りでいいのか」「お正月飾りはどうしたらいいのだろう」と、迷う方も多いのではないでしょうか。
私自身、父が亡くなって初めてのお正月に、花の選び方や正月準備に戸惑いました。
私自身の経験を通して感じたことや調べたことが、少しでも参考になればと思い、この記事では亡くなって初めてのお正月にお供えする花の選び方やマナーについてご紹介します。
亡くなって初めてのお正月にお供えする花の選び方

家族が亡くなって初めて迎えるお正月に、安心して選べるお供え花の考え方を紹介します。
派手な正月飾りは避け、菊や蘭などお供えに適した花を選ぶ
喪中の期間は、門松やしめ飾り、鏡餅といった神道に由来する正月飾りは基本的に控えます。
一方で、仏壇や遺影の前に花をお供えすること自体は問題ありません。
むしろ、花は故人を偲ぶ気持ちを表す、穏やかで大切なお供え物とされています。
亡くなって初めてのお正月にお供えする花として適しているのは、以下のような種類です。
- 菊:邪気を払う意味があり、日持ちしやすいため、長期間お供えする初めてのお正月にも向いている
- 蘭:高貴で落ち着いた印象があり、長く美しさを保つ
- ユリ:清らかさを感じさせる花として仏花に用いられることが多い
反対に、以下のような花は避けたほうがよいとされています。
- トゲのある花(バラなど)
- 毒性のある花
- 香りが強すぎる花
「お正月だから華やかにしたほうがいいのでは」と考える必要はありません。
お供え花は見た目の華やかさよりも「故人を静かに偲ぶ気持ちが伝わるかどうか」が大切とされています。
正月という節目だからこそ、あらためて花の意味や役割を意識して選びたいですね。

迷った時は松は避けて選び、色味は白や淡い色にする
一般的には、正月花材の松は喪中には避けるのが無難です。
ただし、地域や宗派によって考え方が異なる場合もあります。心配な場合はご家族や菩提寺に確認されることをおすすめします。
迷ったときは、松を含まない花を選ぶと安心です。
また、色味についても注意が必要です。
四十九日を過ぎていれば必ずしも白一色である必要はありませんが、赤や金などの派手な色は避けましょう。
おすすめの色合いは、
- 白
- 淡いピンク
- 薄い黄色
- 紫
など、全体的に穏やかでやさしい印象のものです。
▼四十九日前のお正月のお供え花には、白を基調にしたお花を用意しましょう。


▼四十九日を過ぎていれば、色が入ったお供え花でもよいとされています。


お供えの花の種類や不向きな花について、より詳しく紹介した記事「お供えの花にはどんな種類がある?不向きな花の種類も知っておこう | プレゼントコンシェルジュ」もあります。あわせてご覧ください。


亡くなって初めてのお正月のお供え花にはプリザーブドフラワーもおすすめ


お正月のお供え花は生花でなければ失礼になるのでは、と不安に感じる方もいますが、近年では「気持ちを込めて長く供えられること」を重視し、プリザーブドフラワーを選ぶ方も増えています。
形式よりも、無理なく供養を続けられることを大切にする考え方が広がっています。
実際に、SNS調査の結果では、多くの方がお供えの花にプリザーブドフラワーを選んでいます。
記事「プリザーブドフラワーは仏花にふさわしい?実際に飾っている人の声を調査 | プレゼントコンシェルジュ」では、実際にプリザーブドフラワーをお供えに贈った人の声を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


水やり不要で衛生的など管理面のメリットがある
初めてのお正月は、年末年始の準備や親族対応などで慌ただしくなりがちです。
そのため「花のお世話まで手が回らない」という方も少なくありません。
そんな場合におすすめなのが、プリザーブドフラワー。
プリザーブドフラワーには、
- 水やりが不要
- 枯れる心配がない
- 花粉が落ちない
- 水が腐らず仏壇を清潔に保てる
といったメリットがあります。
特に、喪中の初めてのお正月は「毎日きちんとお世話しなければ」という心理的負担も生まれやすい時期です。
プリザーブドフラワーは、その負担を減らしつつ、きちんとお供えしている安心感を保てる点が選ばれています。


置き場所に合わせて選び、生花と上手に使い分ける
最近は、現代の仏壇やリビングにもなじむ、さまざまなデザインのプリザーブドフラワーがあります。
- ホコリが入りにくいドーム型
- 場所を取らないフレーム型
- 仏壇の脇に置きやすいコンパクトサイズ
など、置き場所に合わせて選べるのも魅力です。


「ずっとプリザーブドフラワーでいいの?」と不安になる方もいますが、月命日やお参りのときは生花、普段はプリザーブドフラワーと使い分けるのもひとつの方法です。
無理をせず、続けやすい形で供養することが大切です。
お供えの花にプリザーブドフラワーは失礼にならないか不安に感じる方は「お供え用の花にプリザーブドフラワーを選ぶのは失礼?贈るメリットやマナーを解説」の記事も参考にしてください。


亡くなって初めてのお正月に知っておきたい花以外のお供え物とマナー


お菓子や御仏前、のしのマナー
花以外のお供え物としては、お菓子や御仏前(お金)を用意することもあります。以下を参考に用意してください。
■お菓子
- 日持ちするもので個包装されているもの
- 和菓子(煎餅・羊羹など)が無難
■御仏前
- 無理のない範囲で用意する
- 不祝儀袋を使用する
■のし
- 紅白の蝶結びはNG
- 「黒白」または「黄白」の結び切り
- 表書きは「御供」「御仏前」
以上が基本です。


挨拶・鏡餅・初詣など喪中のお正月の過ごし方
亡くなって初めてのお正月は、普段とは少し違った過ごし方になります。
- 挨拶:「あけましておめでとうございます」は避け「今年もよろしくお願いいたします」など寒中見舞いの表現にする
- 鏡餅:神道行事にあたるため、基本的には飾らない
- お年玉:お祝いの意味が強いため、喪中は避けるのが本来の形。渡す場合は「お小遣い」としてご祝儀袋を避けて渡す
- 初詣:神社は避け、お寺へのお参りは問題ないとされることが多い
お正月の過ごし方やお供えの考え方は、地域や宗派によって多少異なります。
「必ずこうしなければならない」というよりも、一般的なマナーを押さえたうえで、家族や地域の慣習に合わせる姿勢が大切です。
亡くなって初めてのお正月のお供え花は「無理なく続けられる形」を選ぶ
亡くなって初めてのお正月は、気持ちの整理がつかないまま迎える方も少なくありません。
無理に明るく振る舞う必要はなく、花をお供えし、静かに手を合わせる時間そのものが、心を整えるきっかけになります。
私自身、父を亡くして初めてのお正月は、家族で静かに過ごしました。
その中で、父の友人や知人からお供えの花が届き「家族以外にも父を想ってくれる人がいる」という事実に、救われるような気持ちになったのを覚えています。悲しみの中でも、温かさを感じられる時間でした。
管理のしやすいプリザーブドフラワーは、遺族の負担を減らしながら、穏やかな彩りを添えてくれる選択肢です。
今年大切な方を亡くされた方は、気持ちを込めてプリザーブドフラワーを贈るという形も、相手の心をそっと支えるきっかけになるかもしれません。
無理をせず、故人を想う気持ちを大切にしながら、あなたに合った形でお正月を迎えてみてください。








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